2010年11月14日日曜日

リーダーの育成。

こないだバイエル薬品のfast trackプログラムの話を聞いた。
リーダー不足が嘆かれる近年、各社人材確保に必死みたいですね。
http://bit.ly/9f7KlS

以前役員に話を聞いたときは、各役員直轄でFast track人員を
持っていたみたいだけれど、これからは組織立ててやっていくみたい。

単純計算で、1人をある程度育てるのに、
 
  労務費1000万円×5年+MBA学費500万円=5500万円/人

で、仮に20人いるとしたら11億円の費用が発生する。
これから毎年このプログラムを実施するなら、11億円/人の新規予算が必要。

うーむ、すごい。金持ちだ。

ただ、それだけ金をかけるほど、今後企業が滅びる危機感を持っている
ということの裏返しでもある。

そして、このプログラムのいいところは、最初にMBAではなくて、
2年間の実務経験が得られるということが大きい。
初めに実践を通しておかないと、習うことに感じる意味が大きく異なる。
また、MBAだったらどこでもいいって訳じゃなくて、
外国のMBAを取得出来るということもいいんだろうな。

三品和広が言うように、一昔前なら誰も見向きのしなかった
大学の文系校舎に通っても意味がない、ということ。

また、学生時点で優れた人材を集めて、まず2年間実務でふるいにかけて
次にMBA2年間ふるいにかけるという、競争理論を持ってくるという点よい。

ということを踏まえて、ここ2ヶ月は経営論から外れて実務に打ち込んでいたので、
久しぶりに経営について思いを巡らせてみようかと思う。

最近勢いのあるソフトバンクにせよ、GEにせよ、
素晴らしいのは経営者である、ということは譲れないと思う。
会社は人であり、経営者も人である。

要は、どれだけトップが愛社精神を持って方向を決定して行動し、それに
どれだけ社員がついてくることが必要。
そしてトップの思考が世間のニーズと合致していることが必要でもある。
COOに詳しいことは任せたらいいという考え方をよく聞くが、あくまでCEOが
決め、COOはそれを執行することを仕事とすることが本分だと考える。

だからいかに優れたCEOを育てるか、が大切なんですよね。

ラムチャランが言うには、徒弟制度が大事であるということで、
そういう意味では、まとまったプログラムではなくて以前の役員直轄型
Fast track制度がよかったのかもしれないと、ふと思う。

アングロサクソン的なMBAが疑問視されている不確実な現代だが、
定量的分析的なMBA集団が勝るのか、自分の腕一本で戦ってきた
経験者が勝るのか、ケースバイケースだが行く末を見るのは実に面白い。

僕としては、MBAの理論を体得した経験者が最もCEOとしては優れてると思う。

ま、このMBAブームも10年後の2020年までにはなんらかの結果が物語ってくれるでしょうね。
仮に今は業績がよくても、継続的に反映することが企業の社会的使命ですし。