2010年4月25日日曜日

日本辺境論。


内田 樹 著。

AERAなんかにたまに対談が載ってておもしろい人だなぁというのが最初の印象で、平積みされてたからついつい買ってみました。

本人曰く、新しい知見がある訳じゃない、ということでしたが、僕みたいな無学な人間には非常に興味深く、おもしろい一冊でした。新しいことを言うわけではないけれど、確かに、こういうintegrateされた本というのはコンパクトで非常に助かるように思います。

前半よりは後半の方がだんぜんおもしろかったですし、日本人としては読んでみた方がいいと思いますね。「あ、なるほど」みたいなことがたくさんあります。

それにしても、上海万博songはパクリですね。中華なのに。

2010年4月18日日曜日

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略。


クリス・アンダーソン著。

最近話題のゼロビジネスとこれまでのビジネスの違いなど、
フリー(無料)ビジネスのカラクリについて言及された本。

これまでのフリーは、
①直接的内部相互補助
で、たとえばお試し版はフリーだけれども、
そのコストは製品に転嫁されている。

②三者間市場
これなんかはTVに典型的で、視聴者はフリーで
コンテンツを楽しめるけれど、その代わりCMを入れること
でTV局は制作費を稼いでいる。

③フリーミアム
この辺からがいわゆる21世紀のフリービジネス。
googleのpicasaなんかがそうだと思うんだけど、
基本的な使用料はフリーだけれども、容量が20GB
を超えるような場合は$4頂くなんてこと。

ベーシックな製品はゼロな一方、よりよりサービスには
課金するということ。

④非貨幣経済
この辺もネット時代特有の現象。

wikipediaや価格ドットコムのレビューみたいな、
なにもリターンは得られないけれど、それを行うことによって
マズローの欲求段階説みたく、善行に伴う自己満足が得られる。
ただし、それを行う個人の%は少ないけれど、ネット人口が
膨大だからこそ成り立つ現象だということ。

翻って自分のビジネスに当てはめようとすると、
ネットでもないし、法でがんじがらめだし、ということで
あんまり応用は利かないみたいですが、アイデアとしては
もってていいものなんでしょうね。

Free、万歳!

2010年4月10日土曜日

earth hour。


WWFが2007年から主催しているイベント。

1時間だけ電気を消して、省エネについて考えようというのが趣旨。
オーストラリアから始まり、今年は4000もの都市で開催されたとのこと。

ただ、YOUTUBEを見ても分かるとおり、一種のお祭り状態になっていることは否めない。
1時間の灯りってのは微々たるもので本来であれば、エコな考え方を促すものだけれど、
たとえばエッフェル塔が消灯するのを見に、ドイツから車で見に行ったりなんかしたら
それこそ本末転倒。

知名度を上げるのはいいですけど、実用的な運用は難しそうですね。

2010年4月1日木曜日

2010年問題。

いよいよ始まりました、2010年度。
就職活動しているくらいから言われ続けてきた2010年度問題。
それがそろそろ表面化しつつある頃です。

大手ではDSPのアムロジンやDSのクラビットのGEが発売され、それらの製品は減収になってきてます。
これからはアクトスやアリセプトなどなど、グローバルなブロックバスターもぞくぞくと出てきます。

先発各社は、ERを作ったり、高用量を作ったり、配合剤を作ったり、苦くないのを作ったり、キット化したり、各社各様の手だてを講じてきてますが、日本国内に限って言えば、薬局への報酬アップが逆風になってますます厳しい経営状態を迫らせるのではないでしょうか。

最近内田樹の「日本辺境論」を読んで感じたことですが、日本人は「空気」が好きだということ。

だから、アメリカみたいな合理的なGEへの処方変換はすぐに行われず、製薬業界と厚労省の「空気」が長期秀才品をずーーーーーーーーーっと売り続けて、ゾンビ企業が生き残れてきたということ。ここに来てようやく、方向が変わりつつあり、1000億円以下の先発企業は恐らく、淘汰されていかざるを得ない状況になるはずです。というか、なるべきです。

あと2年もすれば、製薬業界発の失業者が増えること請け合いでしょうねぇ。

翻って自分の立場に転ずると、1日から医薬品事業の経営戦略担当となりました。
これからも「空気」と「合理性」を勘案しつつ、やっていきたいと思います。

今年はいろんな意味でターニングポイントになりそうです。