2012年8月31日金曜日

ベトナム人の金銭感覚と謎

前々回に書こうとして飛ばしてしまったので、今回アップします。ベトナムは、GDPが1000ドル程度であり、東南アジアの中では最貧国の「はず」であります。

日本のGDPが4万ドル程度なので、単純比較で物価が1/40なわけですが、みるとレクサス、ポルシェはじめ高級車の多いこと多いこと。でこぼこみちを40km/hでポルシェのクーペが走ったりしてますが、ポルシェの人が見たらなくと思いますね。ほんとに宝の持ち腐れ。特に税関や警察の方々などはいい車に乗っておりますが、それはGDPなどに出てこないお金な訳ですよね(前項参照www)。

さて、スタッフなどの一般庶民と一緒にご飯を食べる場合は、だいたい2万ドン(80円)が相場です。ただ、最低賃金が200万ドン(8000円)というのを考えると、結構高いんじゃないと思ってます。タバコも1箱2万ドン(80円)で、ともに最低賃金の1%を閉めるほど高額だ、と思っています。

日本と比較すると、10万円の給料に対して、1食1000円、1箱1000円という比較対象になり、相対的に高い金額を支払ってると思います。タクシーにしても同じで、初乗り1万ドン(40円)ですが、3kmくらい乗るとすぐ3万ドン(120円)になっちゃいます。

相対的に高額な物価でもやりくりできる理由の一つとして、日本では禁じられている副業制度があります。昼も夜(7時~12時)も働くというやつです。そうすると、それぞれの給料は安くても合算するとそこそこの稼ぎになる、という訳です。

という理屈はわかるにしても、大学生がHONDAのバイク(20万円)に乗る、とかやはり全く意味が分からない部分もあります。ある程度ベトナムで生活してみましたが、まだまだお金に関する謎は多いです。これからしばらくかけて紐解いていければと思います。

2012年8月25日土曜日

Medipharmという展示会に行ってきました。

たまにはお仕事の話も。VIETNAM MEDI-PHARM EXPO 2012 IN HOCHIMINH CITY というイベントに足を伸ばしてきました。情報収集のため、ちょくちょくこのようなイベントには顔を出しています。日本だと、毎年6月末に開催されるInterphex JapanやCPhIというのが医薬品の展示会としては大きいものなのですが、こちらはInternational Expoと銘打ってはいるものの、規模が5000m2程度だったりと狭い感じは否めません。しかもこのイベントは薬だけではなく、医療に関するサービス全般やサプリ市場を含んでのものなのでまだまだ規模としては小さいですね。

というのも、ベトナムの医薬品市場はだいたい1000億円程度で、その7割程度がジェネリック医薬品。ベトナムは人口が日本の7割程度なので、単純に医薬品市場で比較すると、日本9兆円に対して1000億円なので1%強という話です。そのベトナム市場でNo.1なのはHau Giang製薬という会社で、ホーチミン西部のカントーという街にあります。この企業の売上高は100億円程度ですがサプリメントも含むので売上規模は数十億円ということになります。ベトナムの医薬品企業は、もともと各省の政府機関として経営されていたため、売上高10億円~40億円程度の小粒の企業が非常に多いのがポイントです。


ベトナムにおいては、製造規範はWHO-GMPが主流なのですが、これも国連関係のUNIDOが旗振り役で導入したと言う話が去年のIGPAで述べられていました。ただ実のところはその承認レベルもグレーで、WHOレベルにも達していないとの推測がその担当者がしていました。よくも悪くもトップダウンでものごとが進む、社会主義国のように感じました。ただし、製造設備自体にはこだわった企業も多くて、ドイツ製の機械だ、とかイタリア製のWFI装置だ、とかいろいろと言っています。中国製もかなりあるのですが、あまり好まれないようですね。

さて、Internationalなので、日系企業もいるかというと、日医工さんとタイの販売などで組んでいるDKSHさん。こちらはオムロンさんの血糖測定装置の販売でアライアンスを組んでいるようです。余談ですが、タイの製薬企業は先日富士製薬さんが買収発表しましたので、わりと目が離せないかなぁと思っています。

あとは日本のサプリメント企業さんがわりと奇抜な格好のキャンギャルを使って営業をされていましたのでおまけとして載せておきます。




2012年8月18日土曜日

人材採用のお話。

なんとか金曜日滑り込みセーフ、ということで、今回はベトナムでの人材採用の話を書こうかと思います。

ベトナムでの言語はベトナム語ですし、業務の推進にはローカルスタッフの採用が必須、というのはどこの企業でも共通の思いのようです。まぁ実際、就労許可証ひとつ取るにしても、外務省に行ったり、公証役場に行ったりと、日本人だけでやるにはかなりハードルが高いです。ということで、比較的若めのローカルスタッフを採用することになるのですが、採用のやり方のそれぞれですし、応募者の方法、質もまたそれぞれなんです。

スタートアップ企業にとって無難な採用方法としては、人材紹介会社。マンパワーやリクルートなど名の知れた会社が現地法人を持っています。そういう会社はこちらのニーズにあった人材を予め選抜して紹介してくれるので、時間の節約とニーズのミスマッチ防止に役立ちます。その他は新聞広告などもありますが、新聞広告だと、1人の募集であってもざっと300人くらいの玉石混合の履歴書が集まるのでなかなか大変です。

そもそも応募してきた人の履歴書を見てみても日本人とは全然違って、要するにデキもしないことを誇張して書いちゃう、んですよね。たとえばある程度以上の英語レベルを求めていて、英語レベルにadvanceという上から2つめのレベルにチェックしているにも関わらず、面接中の回答が芳しくないと思ったら、「実は英語が苦手なんです、テヘペロ。ばれました?」みたいな人がいます。履歴書の様式に枚数制限をしてなかったら、30歳くらいの人でも4枚くらいこれまでの経験と出来ることをつらつらと書いてきます。そういう中でイイ人材を見つけるのは大変!

もう一つの応募方法として、その会社の担当者に直接コンタクトするという裏技があります。私も既に3人からそういうメールを受け取っていて、たとえばこないだの起工式の会場のITスタッフから、うちのIT部門で働きたい、とか、近いうちに○○ポジションを募集するという話を聞いたので、直接連絡しました、とか、人脈とコネが物を言う社会を体現したかのような出来事も起きています。

人脈とコネという話で言うと、もう少し規模が大きくなったときの注意点があるそうです。というのも、人事部長が日本人の知らないところで応募者から紹介料を徴収してポケットマネーにすることが往々にしてあるといいます。確かにいくらよこせば日本人に紹介するから、などというのは、応募者にとっては魅力的なんでしょうが、企業としてのイメージを落とすことになるので、そういうunder the table feeというのは、基本的には「渡さない、もらわない」というのを徹底する必要があります。ひどいのになると警備員口利き料を取ったりするケースもあるとか。

とまぁ、いろいろ書きましたが、まだまだ大学生の初任給がUSD200300という世界です。しかしGDPの伸び率も高く、現在のインフレ率は10%。なんだかんだでみんな高給取りになってハッピーになれるといいですねぇ。というところで、次は、ベトナム人の金銭感覚について書きましょうか。

2012年8月11日土曜日

なんと言っても起工式。

すみません、昨日は移動により早速定期アップ遅れました、ごめんなさい。

今週の一大イベントは、なんと言っても起工式(地鎮祭:Ground Breaking Ceremony)。日本であれば、六曜で大安を選んだりしますが、ベトナムは違います。会社社長の名前の画数をもとに、地元の僧侶が占いでGood dayとかBad dayという候補をいくつか選定しその中から決めるんです!本当は8月末にやりたかったけれど、それも旧暦のLunaにあたるので祝い事はダメとのこと。などなど手取り足取り教えてもらいまして、その結果、88日という末広がりな日程になったのはまずます。

そもそも起工式というのは、工事中に何かあった場合に対応してもらえるように、地元の官庁、消防、警察をもてなすというのが主な目的。今回のご来賓は、地元ハイフォン市(ホーチミン、ハノイに次ぐ、ベトナム第3の都市)の市長Dien氏(日本で言う県知事(都市の規模的には福岡)に相当)、中央政府からは商工省副大臣Hai氏その他、共産党の方などさまざまな方が来られました。スピーチの際、日本でも来賓に対して名指しでありがとうということはあるんでしょうが、ベトナムはそれがもっと顕著。偉い人はスピーチの際必ず名指しで呼ぶ風習がある。と、これがまた困ったもので、偉い人ってのは、当日になるまで本当に参加するかどうかが分からないんですよ、ホント。これが全く担当泣かせ。スピーチ原稿(ボク作成)に名前を入れないかんのに直前まで分からないなんて最悪ですよねぇ。結局、開始5分前に参加者が決まって大慌てで準備をしました。

さてさて、気になる天気は前日まで土砂降り、当日朝まで雨、ただし起工式が始まる30分前から雨もやみ、晴れ間がさすほど天候が回復。雨降って地固まるではないですが、なにやら天にも味方されているような気がしました。ただ、前日は雨だったので予定通り飛行機が飛ばず、昼に到着する予定だった司会者の到着が夜。進行の打ち合わせが前日23時からという何ともギリギリなスケジュール。それでも司会者が来られて本当に良かった。いろんなポイントで首の皮一枚つながった段取りです。前稿で話題になったDHLの荷物も開催前々日の夕方に到着し、こちらもつながりました。いやー、神経すり減らします。

起工式で驚いたことの一つが、式の途中で突風が吹いたことです。担当ゼネコンさんにも聞きましたが、起工式の途中に風が吹き始めることはよくあるそうです。私はあまり信じませんが、神風のようなものを坊さんが呼んでいるのでは、ということです。

もひとつ驚くのが、前日、爆弾などがないか、金属探知機で軍隊の人が検査をするのですが、なかなかものものしい反面、結構歩く速度が速い!それ大丈夫と思わず言いたくなりました。


皆さんが気になるベトナム女性の正装と言えばアオザイ。起工式においてもキャンギャルはアオザイです。お出迎えの傘差しから受付からシャベルの受け渡しまで、赤いアオザイを来てくれたレディが対応してくれます。式が始まればぺちゃくちゃ喋っていますが、感じはいいですね。

起工式も無事終わればその次はランチパーティ。パーティ担当はボクだったので結構気合いを入れて準備。基本的には寿司・天ぷらなど日本食を織り交ぜながらの食事。そして鏡割り。日本文化?を、堪能してもらいました。先週バタバタしてかき集めた、ハッピや枡もそろいましたが、前稿通りここでは日本人のネットワークが活きました。ここで意表を突かれたのが、パーティが全部終わる前に、ベトナムの人は帰っちゃうんです。偉い人を先頭に三々五々と。パーティ自体は1時間半くらいだったけど、1時間くらいでほとんど帰っちゃいました。〆のスピーチはボク担当だったわけですが、ほとんど日本人というなかでデキレース的に終わり。まぁ今後の練習としてはよいでしょう。

と、最後まで大きなトラブルがなく、無事終えることが出来て本当に良かった。この程度で、とは思うもののかなり神経使って疲れました。こういうのは両方のメンツがあるのでそれを保つことが何よりも大切。

P.S.終わってみると、なにやらベトナム人が枡を大量に抱えて持って帰る帰る。挙げ句の果てには借り物の鏡割り用ハンマーはもらえないか、などなど相談に来る始末。外国文化に対する興味が深いことも身をもって体験しましたね。1年後の開所式はもっと準備万端でやりたいですね~。

2012年8月4日土曜日

スタートダッシュと賄賂。

シンチャオ!(Xin chao!)ベトナムからこんばんわ。シンチャオは、丁寧な言い回しなのですが、いわゆるガイドブックに載っている言い回しなので、現地の人からすると、ベトナム初心者丸出しというわけですので注意しましょう。チャオだけで十分通じます。

さて、ベトナム生活も3日目に突中致しましたが、目下、来週水曜日に控えた起工式(Ground Breaking Ceremony:地鎮祭)の準備に西へ東へ奔走しております。

急遽決まった起工式後の昼食会での鏡開き。なかなかベトナムで探すのは大変です。が、そんなとき大切なのがコネ。ベトナムでは有名な雑誌スケッチの編集者に確認すると、住友系工業団地内のほたる食堂を紹介してもらいました。で、今日はその受取。

酒を購入するので、樽代はタダにしてもらいましたが、やっぱり酒は値段が高い。八海山の清酒なのに1升瓶が約1万円!純米酒じゃないんなら、一の蔵の純米にすればよかったと後悔。。。まぁこれはそろったのでよし。

次に向かったのがDHL。
起工式に必要な来賓へのプレゼントを日本から発送したのですが、書類が足りないから出せとのこと。準備に時間がかかるので(来週月曜日には必要!)直談判へ。そこで起きたことをまとめると、ベトナム語の嵐と賄賂請求。日本人と似たようなもんで、ほとんどの人は英語がしゃべれないベトナム。ややこしいことはベトナム人スタッフがいないと全くできません。

で、DHLで必要な資料をその場で書いて提出。郵送物の内容をベトナム語で記載せよ、ということなので、自社グループ工場製品であるパテックスの説明に「サロンパス」と書く始末。でもそれで通用するのもまたベトナム。商品名=そのジャンルの代名詞になります。

その後、税関職員からは、OSAKA~、とかなんとか呼ばれましたがそのときは意味不明。だけど、その後、DHLの職員がこそこそと来て、「税関職員にカネ渡さないと、届くのに4日がかかる」と。起工式に必要なものなのでそれは無理!というと「100USDよこせ」、と。今回は背に腹は代えられないので払いましたよ、100USD。領収書なんてもちろんでないので、これどうやって経費処理しようとか考えましたが、まぁとりあえずほっと一息。

その後はパーティ会場を確認して、DVDが投影されることを確認して、終わり。
と思ったら、起工式にベトナム投資省の副大臣がくるとかって連絡。。。式に中央政府の人がくるのはいいんだけど、日本で言うと経産省事務次官とかの感じだよ?ってなことで、また席次を考えなきゃとか思いましたが、今日は疲れたのでこの辺で終わります。

週休1日なので、明日も仕事を頑張ろうと思って眠りにつきます、ハイ。