2011年2月11日金曜日

GE薬の流れを経営する。

未来創造という意味では只今の思考を将来の布石にするという意味ではあるが、漢字の「戦略」から推して知るべし、戦を略す、つまり頭を使って戦のない世界を作ろう、というブルーオーシャンの考えだ。

ジェネリック医薬品業界を見渡したときに現在の多数の会社による販売は競争原理という観点からはよいが、産業的にはストレスがかかっているように感じる。そうなった場合、ジェネリック医薬品市場でM&Aが起こる、なんてコトは考えられるが、そうはならず、先発系企業の独占となることが推察される。

そうなった場合、単なるジェネリック医薬品企業は、高薬価品に関してはCMOという製造受託への側面が強くなり、低薬価品に関しては供給義務があるため自分たちで売る、というジリ貧になるかもしれない。そうなるまえに、販売ブランドと供給チャネルを確保する必要がある。

調剤薬局のジェネリック医薬品使用促進が始まって、市場の供給問題が生まれてきた。共同開発が認められた現在、例えば30社発売している医薬品の供給元が2社、という事がある。その場合、仮に後発品シェアが30%あるとする。先発市場が3億錠だとすると、1億錠の供給をCMO2社で、しかもスモールロットで行う必要がある。そうなると、CMO的なジェネリック医薬品企業の製造部門はてんてこ舞いになってしまう。加えてスモールロットでの生産では、経済的に効率が悪い。

沢井はGEトップ企業でありながら、ファイザーや第一三共が参入してくる今後の市場を危惧し、キョーリンに買収提案をしたと考えられる。ジェネリック使用促進だ、と喜んでいると、痛い目を見るのは中堅企業である。市場は今、動いている。

ただ、そういう儲かる、儲からない、という話はあくまで企業側の話であって、最終的にはどれだけ社会的なベネフィットを生み出したか、というところに企業の意義がある。
そういう点では、外国から輸入したGEを圧倒的に低価格で販売する、ということをやってみたい気はする。

2011年2月10日木曜日

沢井のキャッシュフロー。

今日の再考。

某沢井製薬の第三四半期決算を見ると、
当期経常利益が100億円を超えていた。
それは、うちの親会社を凌駕する額なので、
まさしく驚愕の事実。

しかし、そうそう喜んでばかりいられない、
ということがキャッシュフローから分かる。
(と、上司に教えてもらった)

売上高が、前年度よりも100億円増加、
経常利益も40億円増加。
だけど、キャッシュフローは20億円マイナス。
財務活動によるキャッシュフローは恐ろしくプラス。

これの意味するところは、
・売上が増加して棚卸し資産が増加した。
・減価償却は増えてないから既存設備の稼働率が高まった
つまち、作れば作るだけ利益が出る。
・新株予約権付き社債として発行した300億円が手つかず。
・キョーリンの株を5%くらい買ったから
投資活動によるキャッシュフローはマイナス。

既存設備の稼働率が高まるのはいいことだけれども、
それは今年が限界で、来年度以降は新たな設備投資が必要となる。

新株予約権付き社債をキョーリンの買収資金として調達したのは
いいものの、話がご破算になって、手元でダブついている、
というのが今の状況。300億円って、年利3%としても9億円の
利息が発生するから、沢井といえども楽ではないはず。

この状況をどうするのか、沢井の会長の判断に興味津々。