2012年11月27日火曜日

アオザイの作り方。

ベトナムの国民的服装と言えば、誰もがアオザイ(Áo dài)ですが、これは色が青いからなど、という理由ではありません。というか、そんな人は大日本帝国が如く日本語が世界で使われていると思ってることでしょう。

さて、ベトナム語でアオ=服とかシャツ、ザイ=長い、という意味です。よってアオザイは、長い衣装という意味の言葉になります。もっとも、ホーチミンでは言葉が柔らかく、アオヤイと発音しないと通じなかったりします。

このアオザイ、体のラインに沿ってピタッと作られるため、基本的にはオーダーメードです。街を歩いてみても、それほどぶかぶか/ぴちぴちの人を見たことはありません。そのため、注文の際、サイズを18か所も測る必要があります。スリーサイズくらいでどうのこうの言っているアナタ、アオザイは作れませんよ?しかも自分では測れないから誰かに頼まねばなりません。
あと、驚くことに、直接服の仕立てには関係ない、頭の大きさも測らないといけないんですね~。これは全体のバランスを考慮するためと思われます。

で、全てにオーダーメード、というのは、作り変えるたびに生地産業・縫製産業の仕事を創出するという点からすると経済的にいいのでしょうが、一方で応用が利かない、というベトナム人特有(え?日本人も?)の特徴にも表れているのではないかなぁと感じます。マルチタスクのできない、まるでiOS3.0のようです。

その点、日本の伝統衣装、着物は、背丈・横幅に関係なく美しく纏える、という点で素晴らしいものだと思います。その万能さが、日本人の応用力に表れているといっても決して過言ではないでしょう。ただ、機能を入れ込みすぎる、機能をそぎ落とせない、というような全部主義・優柔不断さもそこから培われているのではないかと思っています。

だから万能を求めるがあまり、ケータイ電話のような日本以外では使えないガラクタ現象が起きることになるんですね。

最後にアオザイの話に戻りますが、お値段1着3000円・納期は5日です。ご参考まで。

2012年11月24日土曜日

30歳と60歳で会社をつくる。

日経ビジネスオンラインの「60歳と30歳で会社をつくる」を遅ればせながら完読して、思ったこと多々。岩瀬大輔氏に自分を例えることはなかなか恥ずかしいことではあるけれども、確かに今自分が30歳で、ベトナムで雇った副社長が60歳であることと思うと、まさしくこのタイトルだなぁ、としみじみ。(写真は建設予定地:約400m×400m)

これまでは、日本人>ベトナム人、という構図で、ロジカルに考えていた(と思う)ものの、エモーショナルな部分や、人格否定の部分があったのではないかと一人反省。ベトナム法人はベトナム向けの医薬品製造販売を行わず、全量輸出を目論むものの、ベトナムに拠点を置く、ということもっと認識しなければならない。しかし、仮に欧米人が社長となったら自分は、欧米人>日本人、という構図に自然と持って行ってしまうのではないかと思うけれど、先入観を持たずにイコールでつないで喧々諤々しないとダメだ。

ベトナムで60歳、というと、言わずもがなベトナム戦争を経験している。僕はというと、戦争というものはメディアを通じてのみの経験。考え方に差があるのは無理はない。年の差、国の差、人種の差、などなど、違いをあげればきりがないけれど、それを「素直」(合理的)に受け止めて、モノゴトを前に前に進めていかなければならない。ボクが上司だから言うこと聞けなんてスタンスというのは、日本以上に年功序列の国でもありなかなか難しいし、自分の趣味とも違う。

その一方ボクはというと、医薬品に関しては、薬局、研究開発、開発評価、海外業務提携のような仕事しかやっておらず、拠点立ち上げの経験もなければ総務人事の経験もなし、工場運営の経験なんてない。だから自分の言うことが必ずしも正しいわけではないけれど、経験とか慣れ、といったものではなく、エビデンスベースで、合理的な判断で進めたいと思う。それで違うなら、とりあえずは仕方ない。

これから、亜米欧の医薬品製造拠点を構築するにあたって、もちろん超えるべきハードルは山ほどあるけれど、一つ一つ超えていって、いい会社になったらなぁ、と思う。まずは5年、腰を据えて頑張ろう。

その次の5年のシンガポールに向けて。

2012年11月21日水曜日

ベトナムドラッグ事情。

これ、なんだと思いますか?日系の工業団地に落ちてたブツなんですが、注射器と針、ですよね。目を凝らしてみたところ、うちのロゴもTERUM○さんのロゴも入っていなかったのでおそらくローカル製なんだと思いますが、マズイですよねぇ、こういうの。そもそも工業団地の中で行う、ということは見つけれくれっていうメッセージなのか、と疑ってしまいます。アヘンやヘロインの使い方にはいろいろあるようですが、仮に静脈内投与を行っているようであればヤバイですね。だってこれ以上の快楽は得られないんですもの。

というのも、うちの工場建築予定地は海に近いこともあってこういうブツが流れてくるみたいです。あるいは輸出されている?島耕作でも、チューファーのNo.2がベトナムとラオスの国境近くでアヘンを栽培し、冷蔵庫に入れて輸出するという話がありましたが、これもベトナムの現実なんですね。

会社としてはあんまり変な人に入ってもらっても困るので健康診断でも、オピオイド反応を確認しています。今のところ陰性の人ばかりですが、陽性が出ようものならまた対処法に困る話です。

ディスコではマリファナを吸っている人もいるようですし、見えないところでこんな世界も広がっているのですねぇ。

くれぐれも注意したいものです。

2012年11月17日土曜日

今週は経理マン>< ←働きマンをイメージ。

今週はもっぱら経理の仕事が増えた筆者です。とはいっても操業してませんので、一方的なキャッシュアウトで出血している毎日です。

現在実務スタッフが3名いるのですが、ようやく経理スタッフが入社したのでいろいろと調べものをさせたりしてます。会社経理を行うときに最も大事なのが会計ソフトの選定、です。日本にも会計基準があるように、ベトナムにも会計基準があるので、それに適合しなければなりません。

ベトナム会計基準:Vietnam Accounting System、通称VAS(ヴァス)です。

今のベトナム会計基準は2001年以降に順次発効していますが、基本的にはIFRSをベースとしているらしく、特段変だな、とは今のところ感じていません。日本でも割と新しい、税効果会計や減損会計も認められます。事業年度も通常は1月-12月とグローバルでは一般的なんではないかと思います。日本の会計基準と比べて違う(自分の知識レベルで)と思われることも何点かあります。

減価償却費は、原則定額法(Straight line method)ですが、その償却年数を実態に基づいてある程度の幅で決めることができます。建物なら25-50年、医薬品の製造設備は6-10年などです。事業計画策定のときなんかに恣意性が入るのではと感じます。
次は人件費の勘定科目です。もともと原価の考え方に乏しいといわれるベトナム企業ですが、勘定科目には、直接労務費、管理人件費、営業人件費、と分かれています。日本では分かれていないですよね、多分。

話がそれましたが、目下の悩み事は会計ソフト。いろんな会社さんにも確認したところ、現地ソフトは主に4種類に限られるみたいです。日本語対応のマンキチ、英越語のBRAVO、FAST、EFFECTです。それぞれのソフトがERP機能と連携することができて、勤怠管理や人事台帳とリンクすることもできます。気になるお値段はマンキチで約20,000USD、ローカルソフトは約4000USD程度です。ローカルソフトもアドオン開発のために日本人対応の代理店を通すと10,000USDに跳ね上がるので注意です。毎年のメンテフィーは、販売価格をもとにしますので、それだけで倍になりますね、ハイ。

ちなみに、ベトナムローカルの会計ソフト開発が始まったのは1995年前後です。会計ソフトの草分けはFAST社、でそこからBRAVO社が独立、EFFECT社は第3勢力として参入という訳です。シェアとしても草分け企業が最も大きいのですが、それでも日系企業との取引は300社、売上高は約2億5千万円です。SAPに最適なようにエクスポートできたり、税務署のHPとコラボして、e-TAXができるのも魅力の一つのようです。

ささ、会計ソフトを導入して、年末に向けて経理「も」頑張りますか。

2012年11月16日金曜日

ベトナムのゴルフ事情

とは言ってもベトナムでゴルフを語るほど熱心な訳ではありませんが、先日言ったコース(ハノイゴルフクラブ)が面白かったのでご紹介。

多分ゴルフをしたことがある人なら誰で感じる違和感。なんと、グリーンの中にバンカーがあるんですね。

ホールとボールの間にバンカーがあれば、3パット間違いなし。もちろんアプローチ禁止。。。このコースの運営は日系企業がやっているので適度に木があったり、起伏があったりしますが、家から近い韓国系のコースは基本的に起伏が少なく、川・池が多いというそれほど面白くないコースの方が多い気がします。

日本のゴルフコースは山を切り開いて(自然破壊して)いるため、必然的にアップダウンがあったり、谷があったりとバラエティに富んでますが、ベトナムはもともと三角州ですので盛り土しないと起伏ができないから大変ですよね。

気になるお値段は、だいたい18ホールで100USDとなかなか強気のプライシング。タイとかに比べたら圧倒的に高いです。それもこれも外国人向けの値段付け、なんでしょうね、きっと。数もあまりないため、需要が多いことも理由と思います。

個人的にはベトナム在住中に100が切れればと思いますが、仕事を休む暇がなくて難しいでしょうね、きっと。ちなみに現在120くらいです。1ホール1打節約でらくらくの目標?ですかね。

2012年11月9日金曜日

ベトナムの結婚式、というか披露宴。

 ベトナム人の知り合いが結婚する、ということで参加してきました。ひとくくりに結婚式・披露宴、といっても、日本でも、和、洋、身内だけ、友達含めて、などいろいろありますが、ベトナムでもいろいろある、ということですので、今回のは一例と考えてよいでしょう。

今回驚いたのは、披露宴の規模。200人は超えているのではないかと思います。
いくらベトナムといえど、これは結構KANEかかってるはず。

【日本と違うところ】
・日本では新郎新婦入場まであまり表に出ないと思いますが、会場に入る前にまず新郎新婦が出迎えてくれます。
・ご祝儀などは一切必要なく、自由に出入りできる。(知らない人が来ても多分ばれない)
・ノーネクタイOK(短パンじゃなければOKらしいです)。
・はじめに新郎新婦の家族が壇上に集合して、お父さんのあいさつから始まる
・段取りが悪く、ドタバタする。

【日本と同じところ】
・新郎新婦はタキシード/ウェディングドレスを着る
・円卓に座って料理を食べる
・新郎新婦の友人らによる余興(圧倒的に歌が多い)。飛び入り参加が少ない場合は、司会の女性みずから歌う→ダンスとして加われと言われ、壇上に参上させられる。
・引き出物をもらう

出席者の女性がアオザイを着ることはなく、洋装のドレスを召すのが普通だということでした。
いずれ、うちの社員の結婚式に呼ばれるんだろうなぁ~。





2012年11月5日月曜日

台風到来。


アメリカではハリケーンの被害が報告されていますが、先週末、ベトナムにも大型の台風23号が上陸しました。私が住んでいるベトナム北部ハイフォン市はそれほど台風が上陸する地域ではなく、どちらかといえば中部ダナンあたりが多いようです。今回も天気予報では中部の予定だったのですが、方向が変わって風速35m/s級の大型台風が北部に上陸してしまいました。

日曜日の夕方~夜にかけての本格上陸だったため私自身はあまり影響はありませんでしたが、町への被害は相当なものがありました。市民に最も大きく影響を与えたのは街路樹の転倒ではないでしょうか。ベトナムでは景観のため、ハノイでもハイフォンでも歩道にたくさんの街路樹が植えられています。そしてその木の枝の間を縫うように何本もの電線が通っている、という現実があります。

ベトナムの多くの歩道はブロックでできており、植樹用に正方形に区切られた土の部分があります。しかし、その植木部分には気が根を張る十分なスペースがなく樹木の大きさの割に根が小さくなってしまいます。そのため、風など外部圧力に弱く、すぐに倒れてします。今回の台風では、平均して3割~半分くらいの街路樹が倒れたのではないかと思います。なのでベトナムでは風の強い日には木の周りをあるかないことが第一です。

今回、さらに悪いことには、前述の通りに電線も巻き込んで倒れるため、目の前の民家は停電してしまいます。しかも驚くべきことにその状況が1週間では完全に元通りにならないんですね。そういう点では、日本のインフラ・事後処理の迅速さというものは秀でていると思いました。

現在ベトナムでも原子力発電所の建設計画がなされておりますが、万が一軽微な事故でも生じた場合、復旧もできず、停電も続き、国民は不自由を余儀なくされるなんてことが想定されますね。

自分が働く工場では、ぜひそうならないよう指導していかないといけないですよね、きっと。