2012年12月10日月曜日

医薬品・医療機器について考えた一週間。

今週はIGPA(International Generic Pharmaceutical Alliance)など医薬品関連のイベントが多々あり、医薬品・医療機器・それら産業について考えてみた1週間でありました。

IGPAにて感じたのは、毎年のことながらジェネリック医薬品へのシフト加速。巨大製薬市場アメリカ、においては医薬品の売上数量の8割がジェネリック医薬品。だけれども売上金額の8割は新薬市場。この影響力はデカイ。年間の薬剤費が30兆円として、24兆円が新薬、6兆円がジェネリック医薬品。たった2割の売り上げシェアか、と思うなかれ。日本の薬剤費は9兆円なので、その市場は並ではなく、その6兆円市場がストリートファイト的に激戦を繰り広げています。

IMS社、アランシェパード氏の講演では、日本においては、近年になればなるほどジェネリック医薬品の発売から浸透するまでの期間が短くなってきているとの報告。氏のスピーチでは触れなかったですが、そのシェアはせいぜい15%止まり、というところはまた別の話。これは一定数量はジェネリック医薬品に変更可能な医者がいるものの、それ以外はジェネリック変更不可の医者が多いということを示唆しています。ただしその提供データも2011年までなので、2012年の一般名処方がまた新しいムーブメントを起こしていることも確かでしょう。

インドに製造拠点がある企業のうち、日本に製剤輸出を目論んでいるのが、第一三共(参加のランバクシー)、エーザイ(アリセプトの製造移管)、共和薬品(親会社ルピン)などなど。すでにインドから日本に輸入しているのはジェネリック医薬品のザイダスファーマ。

インドなどの新興国で製造する場合、その国内に販売しようとするなら、GMP基準も比較的ハードルが低く、製造コストを抑えられますが、日本みたいにアホほど品質を高めようとすると原薬の選定、製剤設計などを追加で実施する必要があり、必然的にコストアップは生じます(インドの流通ロットとは製法・品質を変えざるを得ない)。そこが新興国に拠点を持つ企業が意外と成功しない理由の一つであると思います。でも、上記の企業はいずれも経口製剤(飲み薬)の製品群を有する企業であり、注射剤で新興国製造、というのはあまり耳にしません。

最近動いた例とすれば、富士製薬のOLIC社買収だろうか。日本における長期収載品、ジェネリック医薬品のコスト競争が激しくなるものの、早めに海外生産品に対するアレルギーをなくしていかなければ生き残る道はないんでしょうね。

週の後半は新薬や再生医療に近しい分野の方々と。こちらはいろいろと耳よりな情報もあったものの潜伏、ということで。自分としてはいいニュースリリースを聞けることを願うばかり。

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匿名 さんのコメント...
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